NOUV / NV-088
本コレクションは、現代デザインにおける構造・素材・開放性の関係性を探求するものである。「Engineered Transparency(構造化された透明性)」の概念のもと、構造システムが機能と並行する美的言語となり得ることを提示している。すべてのジョイント、ボルト、機械的要素は意図的に露出されており、その組立過程に潜む論理とプロセスを明らかにする。主要素材であるステンレスは、その精度、反射性、耐久性が活かされており、構造的基盤であると同時に、工業デザインの理性的な美を表現する媒体として機能する。それぞれの接合部の開放性は、テーブル面や座面の滑らかさと対比され、技術的複雑性と形式的単純性のバランスを生み出している。
本作は、技術と表現、製造と感性の対話としてデザインを位置付ける。単なる実用的なオブジェクトではなく、素材の誠実さとデザインの完全性を研究する試みであり、強度と美がどのように同一の原理から立ち上がるかを示す。最終的に、デザインにおける透明性とは、単なる視覚的開放性ではなく、構造とプロセスを美の一部として積極的に示す姿勢であると再考を促している。
NOUV WERK
2016年に設立されたNOUVは、家具づくりを通して個人の表現を具現化することから始まったインドネシアのデザインスタジオ。日常の無機的なモチーフを、ミニマルで機能的なデザインへと再構築している。クラフトの精神とテクノロジーの共存を探求しながら、家具やインテリアを中心に精密な設計と上質な素材を融合。伝統的なクラフトマンシップを現代的な感性で再解釈し、美しさと実用性の両立を追求することで、インドネシアの文化的本質を新たなかたちで世界に伝えている。