The Structure of Craft

本展示でANFは「構造としての工藝 」を提案します。ANFデビューコレクションをかたちづくるさまざまな“構造” 物質的、視覚的、関係的、そして象徴的な側面。それぞれのプロジェクトは、歴史的な造形や手仕事の物語を再構成し、地域の知恵と風土に根ざした新たな解釈として提案しています。

・Pedestal Furniture
家具デザイナー 安川流加による北海道産シラカバ間伐材を使った合板に柿渋染めを施した素材を用いたミニマルな家具シリーズ。

・Compra Vase
フランス人デザイナー Baptiste Meynielによる花器。歴史的なコンプラ瓶から着想を得て、素材や用途を拡張しながら現代に再解釈しています。

・New Yukinko
約50年ぶりに福井県大野市の木彫人形を復刻、福井の若い一刀彫職人たちと協働しながら、失われつつある記憶と姿を現代へと繋ぎます。

・Nuriwake Tray
漆塗りの工程を可視化し、山中漆器の伝統技法に現代的視点を与えたシリーズ。制作プロセスそのものをひとつの表現として提示しています。

A New Framework (ANF)

A New Framework (ANF)

パリを拠点とする「ANF Work (a new framework)」は、日本の工藝の伝統を源に、現代に響く物語を紡ぐデザインスタジオ兼コンサルティング事務所です。私たちの活動の基盤には、文脈を重んじるデザインの姿勢があります。アーカイブの調査や素材・製作工程の探究を通じて、伝統に息づく知恵をいまの課題へとつなぎ直すことを目指しています。

この視点は、持続可能な生産モデルを考える上でも大きな意味を持ちます。大量生産を前提とするのではなく、日本各地の職人や地域の機関と直接協働し、産地の再活性化や新しいプログラムの創出に取り組んでいます。そこでは、職人が健やかな生活を営みながら、土地の資源と調和した生産が行われるエコシステムを築いていきます。出来上がった作品は、単なるデザインの枠を超え、人の生き方や美意識そのものへと静かに語りかけてきます。

スタジオを率いるのは、フランス人のティモテ・カプランと日本人の吉田あゆみ。異なる文化背景を持つ二人が大切にしているのは、コラボレーションの中から生まれる人と人との関わりです。その関係性を育みながら、日本、ヨーロッパ、そして世界へと続いていく長い対話を志しています。

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