DESIGNTIDE TOKYO

Nature or Nurture

ネイチャーオアナーチャー

流木は、「木」というには不自然で、「木材」と呼ぶには歪な存在です。 虫に喰われ、波に削がれ、白く漂白された姿はどこか屍のようでもあり、それが何の木であったか気に留めることなどありません。本来の属性を剥奪されたもの、いわゆる「素材」という認識の外側に位置するオブジェクトとして、私たちの意識の間を漂流しているように感じています。しかし流木をいち素材として観察しなおしてみると、「山で育ったはずの木が海で採集される」という不可解さに気づくはずです。言い換えるならば、「異なる生態系で 2 度目の生育を遂げている」といったところでしょうか。
森で過ごした時間を木目として刻んだ後、海洋での時間を新たなテクスチャーとしてその身に刻み直しているように思うのです。「素材」の定義とは、もとの性質に依存するものなのでしょうか。それとも生育環境が決定していくものなのでしょうか。

Daiki Tado

物質を取り巻く環境や性質を多角的に観察、実験、応用することで、「もの」の新たな意味合いや機能の掘り起こしを模索する。
また、そういった背景の中で制作されたオブジェクトを、社会や既成概念に対するひとつのシナリオとして機能させることを目的としている。
近年は、ファウンドオブジェクトや実地でのリサーチを通して、「語られることのなかった編集と変遷」をたどる。
また、デザインコレクティブ MULTISTANDARDメンバーとしても、精力的に活動に取り組んでいる。

https://www.instagram.com/d_tado/
EXHIBITION / AWARD
  • 2023: “JUNCTION ” / “JUNCTION” MA5 Gallery / Tokyo, Japan
  • 2023: Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2023 / Draw the Future,Tokyo, Japan
  • 2024: the ROOM / the ROOM kyoto, Japan
  • 2024: Jia Curated Kiosks 03 / In Process / Bali, Indonesia
  • 2024: self care / self care / Kagawa, Japan