DESIGNTIDE TOKYO

PROGRAM

描像するサテライト

「描像するサテライト」では、社会的期待の中でアーティスト / デザイナー個人に根ざした作品を生み出す動機の深さを考察します。
太田琢人のキュレーションにより本展に出される多様な作品は、各作家の孤独な旅から生まれたものであり、内省の重要性と常識に挑む気概が感じるものが並びます。何かを作るという行為に対する初期衝動に今一度目を向けることで、自主的に造形を立ち上げることの必要性を問いかける展示となっており、これら作品は単なる視覚的表現に留まらず、創造の過程に伴う脆さの物語をまとっていると言えます。鑑賞者には、何かを作るという行為の本質と向き合い、創造を支える純粋な欲望を目撃できる機会となります。

EXHIBITORS

永井 天陽

1991年埼玉県生まれ。2016年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻彫刻コース修了。
日常の中でのささやかな疑いをきっかけに、人が無意識に抱く感覚や認識への問いを様々な素材や在り方に変換していくことで制作、発表している。

主な個展に、2023年 アーティスト・プロジェクト#2.07「遠回りの近景」埼玉県立近代美術館(埼玉)、2018年「名無しのかたち」武蔵野美術大学 gFAL(東京)、2017年「おおきなささやき」HARMAS GALLERY(東京)、2014年 PHASE2014「北に歩いて南へ向かう」 青森県立美術館(青森)など。
2024年 第23回AGH指名コンペ部門「東京メトロ都市開発特別賞」受賞。

神楽岡 久美

2012 武蔵野美術大学大学院 造形研究科 デザイン専攻 空間演出デザインコース 修了
神楽岡久美は、人間社会と身体との接点に着目し、文化的普遍性による「身体像」を探求している。彼女の主な作品に「美的身体のメタモルフォーゼ」がある。
これは、人間社会の中で生まれた知力、体力、財力に次ぐ 4 番目の価値として「美力」があるとし、それによる「装飾、拘束、欠損」といった人為的 な身体改造を再考し、その背景にある「美的価値」に迫るリサーチベースの制作である。作品は美的身体を形成する Wearable な立体作品をメインに、 その設計図となるドローイングや試作、映像、写真、リサーチで収集した資料やテキストなどが含まれるインスタレーションがある。

近年の出展
2024
Art Fair Tokyo2024/ 東京国際フォーラム 株式会社そごう・西武 / 東京 「ART SLOPE」西武渋谷店 / 東京
「Before Performance.」個展 / 東京
神楽岡久美 菅実花「PROTOPIA」展 / GalleryTOH / 東京

2023
「“The lens within your heart” from the TAKEUCHI COLLECTION」WHAT MUSEUM / 東京
「わたしのからだは心になる?」SusHi Tech Square / 東京

2022
「The Metamorphoses of Beautiful Bodies.-Consideration about the aesthetic value of the future body」西武そごう / 東京
「The REBEL Exhibition」The Untitled Space / New York
「kapCHər」The New York Art Residency and Studios Foundation / New York

2019
「京都大学ロンドン大学ゴールドスミス校主催 アートサイエンス国際シンポジウム -Art Innovation 展 2019」 / 京都

2022 年-2023年 公益財団法人吉野石膏美術振興財団の海外研修アーティストとして ニューヨークで活動

村本 剛毅

アーティスト。山口生まれ、東京を拠点に活動。独自の媒体/メディアを発明・彫刻するという実践を通して、知覚やコミュニケーション、移動などを含む「媒介」について研究している。主な作品は、閉じた瞼に血色を逆算した映画を投影するメディア《Imagraph》series、意識する対象を他者と共有するときに視界も共有する架空の知覚を実現するメディア《Lived Montage》series、単語翻訳の連鎖を地図にした辞書/彫刻《Media of Langue》など。現在東京大学学際情報学府に所属。

三好 賢聖

デザイナー、デザイン研究者。
1990年兵庫県生まれ。2015年東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻修士課程修了。2020年英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アートにてPhDを取得、最優秀博士論文賞受賞(ドイツ、アンハルト大学)。著書に『動きそのもののデザイン』(ビー・エヌ・エヌ)、『Designing Objects in Motion: Exploring Kinaesthetic Empathy』(スイス、ビルクハウザー)。 Studio POETIC CURIOSITY共同主宰。

小寺 創太

1996年東京都青梅市出身。2021年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。
身体を空間に展示する<いる派>を標榜し、パフォーマンス/インスタレーションの新しい形式を探究する。最近の展示に『六本木アートナイト2024』(国立新美術館,2024)、『EASTEAST_TOKYO 2023』(科学技術館,2023)、『界面体』(CON_,2022)、『ストーンテープ~見たら呪われる展示~』(PARA,2022)、『調教都市』(Token Art Center,2022)などがある。

外山 和洋

1994年東京都生まれ。2017年武蔵野美術大学金工専攻卒業。2022年まで同研究室の研究助手を務め、現在は神奈川県を拠点に活動。
近年の主な活動に「GO FOR KOGEI」(富山県、2024)、「LOEWE FOUNDATION Craft Prize」(フランス、2024)、個展「Earth, Metal, Vessel」(GINZA SIX、東京、2023)など。主な受賞歴に「Forbes JAPAN 30 UNDER 30」MUFG特別賞(2023)、「金沢・世界工芸コンペティション」次世代賞(2022)、「Cheongju International Craft Competition」 銅賞(2021)などがある。国立清州博物館(韓国)に作品が収蔵されている。

金属素材に対するイメージや固定観念を壊すような金属作品を作ることに情熱を持っている。溶接の過程で誤って銅を溶かし落としたことをきっかけに、その表情豊かな素材感に魅了される。液体金属を新たな形に再構成することと、地球上のエネルギーの循環に共通点を見出し、2019年に現在のプロジェクト「Biophilia」をスタートさせる。

板垣 勇太

2015 年 多摩美術大学環境デザイン学科インテリアデザインコース卒業。
2016 年 大学の卒業制作である「滲み棚」が評価され、イタリアの家具見本市ミラノサローネの日本館にて発表。 2017 年 東京を中心に展開するファッションブランド「G.I.」設立。2019 年 合同会社 KIENGI 設立ファッションブランド「G.I.」を設立。look や広告周りの制作物に精通するため、写真と 映像を独学で学び、手がけている。同ブランドクリエイティブディレクター。KIENGI 発足後は企業やブランドの WEB 広告やファッションブランドの look のアートディレクションなど を行なっている。
一見、用途の分からないプロダクトは最新技術を有した枕である。想像の先をいく新たな提案であり、一生の 1/3 を寝て過ごす人間の身体にとても影響のある分野と言える。また、新 たな概念には新たな造形が必要であり、PIXX はその一つのいい例であると言える。

遠藤 茜

主に漆という工芸素材を用いて立体作品を制作する。
漆特有の価値観を利用したり中心と周縁などの関係性を主題にした作品の制作により、日常と漆芸と工芸全般についての捉え直しをはかる。

1997 岡山県生まれ
2020 金沢美術工芸大学 工芸科 卒業
2022 金沢美術工芸大学大学院 美術工芸研究科 修了

主な展示
2024 第80回記念 金沢市工芸展(石川/金沢エムザ)
2023 国内3ギャラリー巡回グループ展「'Oumuamua」(東京/galleryTOWED→大阪/art gallery opaltimes→岡山/OF)
グループ展「漆表現の現在vol.3」(東京/日本橋高島屋6F 美術画廊X)
2022 KOGEI Art Fair Kanazawa2022(石川/ハイアットセントリック金沢)
生新の時2022-漆芸の未来を拓く-(石川/輪島漆芸美術館)
個展「WHAT CAN I PROTECT?」(石川/ArtShop月映)

CURATOR

太田 琢人

1993年フランス生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻第9研究室2022年修了。
家具を中心に詩的で未来的なデザインを生み出す。文明の発展と文化の発生の副作用として失った感覚にフォーカスを当て、言葉と形で表現を続けている。
主な展示として〈ミラノサローネ2023 Thinking Piece〉(Dropcity、イタリア)、〈ミラノサローネ2021〉(トルトーナ地区、イタリア)、〈TONGYEONG TRIENNALE 2022〉(韓国)、〈ICFF2016〉(アメリカ)など。