DESIGNTIDE TOKYO

PROGRAM

11月27日(水)14:00~

DESIGNTIDE TOKYOの会場構成が意味するもの

DESIGNTIDE TOKYOは、立ち上げ当初から気鋭のクリエイターに会場構成を依頼してきた。

各展示のみならず、会場構成そのものもDESIGNTIDE TOKYOを考えるうえで見逃せない表現のひとつだ。

今回会場構成を担当した若干30歳の板坂留五氏は、アーティストの吉野俊太郎氏とともに展示什器や展示空間のデザインに取り組んできた。個性豊かな展示の数々を板坂氏と吉野氏はどう空間表現へ落とし込んだのか?

会場構成のプロセスを振り返りながら、会場構成の狙い、デザイナーとアーティストの協業について語る。

板坂 留五(建築家)

1993年兵庫生まれ。2016年東京藝術大学首席卒業。2018年同大学院を修了後、「半麦ハット」をきっかけに独立。Architects of the Year 2019入選、Under 35 Architects exhibition 2021 Gold Medal など受賞。ほか、パン屋の改修「TANNERAUM」、アートブック「半麦ハットから」の出版、アパートの改修「Tacit」など。設計を通して、大きさに関わらず、建築のもたらす「気づき」を扱いたいと考えている。

2023年秋より、東京神楽坂にてシェアスペース「PIN」を立ち上げ拠点としている。

吉野 俊太郎(美術作家)

1993年新潟県生まれ。2024年東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。展示壁や什器などの周辺に注目、展示物の自我とその演出手法について「操演される彫刻」と呼称して作品制作を行う。主な企画に個展「Plinthess」(2021, Gallery美の舎, 東京)及び「Peripeteia」(2021, 駒込倉庫, 東京)、パフォーマンス公演『明るすぎます』(2023, クマ財団ギャラリー, 東京)など。2021年には公演『デスクトップ・シアター』(ロームシアター京都, 京都)に共同演出として参加。2019年、東京都小平市にて共有スペース「WALLA」を始動、以後運営に携わる。

松澤 剛(デザインエディター)

株式会社E&Y代表取締役・デザインエディター。ファニチャーやプロダクトを軸とした国内外のデザイナーの作品をプロデュースし、E&Yの現コレクションは50点以上になる。2010年には新しいコレクションラインである「edition HORIZONTAL」を発表した。作品の一部はMoMA NY、Design Museum London、Musee des Arts Decoratifs Paris、Sweden National Museumなどに収蔵されている。

国内外のデザイナーや建築家とのプロジェクトのほかに、展覧会の企画やキュレーション、イベントのディレクターやアドバイザーも務める。グッドデザイン賞審査員。大阪芸術大学短期大学部教授。

11月27日(水)18:00~

空間デザインの先に見ていること

空間デザインとは、単に建築や什器を設計することではない。「モノ」から「コト」へと関心が移るなかで、多くの人々はそこでしか味わえないヴァナキュラーな体験を求めるようになってきてもいる。

SUPPOSE DESIGN OFFICEを率いて建築やインテリアのプロジェクトをしつつ、自然豊かな環境に宿泊、商業、スパ、サウナなどの企画開発及び運営・ブランディングを手がけるDAICHIなども運営する谷尻誠氏、都市に存在するVOID(遊休施設や社会的隙間)を時限的に占有する運動「SKWAT」の活動をしつつ、設計事務所DAIKEI MILLSを主宰する中村圭佑氏は、いかにして独自の空間をつくってきたのか?

ふたりのトークからは、これからの空間と体験をデザインする方程式が見えてくる。

中村圭佑(設計者)

DAIKEI MILLS(ダイケイ・ミルズ)は東京を拠点に活動する設計事務所。商業空間や公共施設などの様々なプロジェクトに取り組み、人と空間の在り方について一貫してデザインの実践を通して考え続けてきた。

既存の空間と将来の用途に対して真摯に向き合い、彫刻的な造形と単純な平面を緩やかに結びつけ、卓越した素材使いを以ってして、その場でしか生まれ得ないサイトスペシフィックな空間を生み出す。2020年より、都市に存在するVOID(遊休施設や社会的隙間)を時限的に占有し、様々な手法を用い、一般へ解放する運動「SKWAT」を始動。

谷尻 誠(建築家 | 起業家 )

1974年 広島生まれ。2000年建築設計事務所SUPPOSE DESIGN OFFICE設立。2014年より吉田愛と共同主宰。広島・東京の2ヵ所を拠点とし、インテリアから住宅、複合施設まで国内外合わせ多数のプロジェクトを手がける傍ら、近年「絶景不動産」「tecture」「DAICHI」「yado」「Mietell」をはじめとする多分野で開業、事業と設計をブリッジさせて活動している。2023年、広島本社の移転を機に商業施設「猫屋町ビルヂング」の運営もスタートするなど事業の幅を広げている。 主な著書に『美しいノイズ』(主婦の友社)、『谷尻誠の建築的思考法』(日経アーキテクチュア)、『CHANGE-未来を変える、これからの働き方-』(エクスナレッジ)、『1000%の建築~僕は勘違いしながら生きてきた』(エクスナレッジ)、『談談妄想』(ハースト婦人画報社)。 【SUPPOSE DESIGN OFFICE 作品集】 「SUPPOSE DESIGN OFFICE -Building in a Social Context」(FRAME社)

松澤 剛(デザインエディター)

株式会社E&Y代表取締役・デザインエディター。ファニチャーやプロダクトを軸とした国内外のデザイナーの作品をプロデュースし、E&Yの現コレクションは50点以上になる。2010年には新しいコレクションラインである「edition HORIZONTAL」を発表した。作品の一部はMoMA NY、Design Museum London、Musee des Arts Decoratifs Paris、Sweden National Museumなどに収蔵されている。

国内外のデザイナーや建築家とのプロジェクトのほかに、展覧会の企画やキュレーション、イベントのディレクターやアドバイザーも務める。グッドデザイン賞審査員。大阪芸術大学短期大学部教授。

11月28日(木)14:00~ *英語開催

ソウルとロンドンから見るグローバルデザイントレンド

いま世界のデザインの現場では何が起きているのか?  『Site Unseen』の共同創設者でもあるMonica Khemsurov氏と『dezeen』エディトリアルディレクター・Max Fraser氏をモデレーターに迎え、韓国・ソウルを拠点に活動するデザインスタジオのKuo Duoと、Nothingのデザイナーであり、イギリス・ロンドンをベースにするCharlie Humble Thomas氏を招聘。

国や都市が異なるとデザインとの向き合い方はどう変わるのか、デザインとビジネスの関係性や課題はどこにあるのか──ソウル・ロンドン・東京、異なる都市をつなぎながら、グローバルなデザイントレンドの現在地を問う。

KUO DUO(クリエイティブスタジオ)

KUO DUOは、イ・ファチャンとメン・ユミンによって設立された、ソウルを拠点とする三次元デザインのクリエイティブスタジオです。二人はソウルの弘益大学で工業デザインを専攻しました。ここでは国際的な経験を持つデザイナーたちが、Cecilie Manz Studio、Form Us With Love、Shigeki Fujishiro Design、SWNAでの経験を活かし、プロダクト、家具、空間のデザインおよびクリエイティブディレクションを行っています。

彼らは革新的な素材の使用や生産技術と、機能性やシンプルさを両立させながら、デザインの境界を探求します。彼らの作品は、インダストリアルデザインからリミテッド・エディション、空間インスタレーションにまで及び、実験的なアプローチを通じて独自のタイプや永続性のある物を創り出すことを目指しています。

Charlie Humble Thomas(インダストリアルデザイナー)

チャーリー・ハンブル・トーマスは、親しみやすさと革新性を兼ね備えたインダストリアル作品をデザインし、ノスタルジーと遊び心のある機能性を引き出しています。彼の作品は、伝統的および現代的なプロセスを取り入れており、タイムレスな品質を追求しています。ロンドンの主要コンサルティング会社での経験を経て、現在はテクノロジーブランド「Nothing」のパートタイムコンサルタントとして活動。

最近の代表作には、Atelier 100のParasol LampやARAMストア60周年記念のBoro’ Lighting Familyがあり、2023年にはデザインリサーチコレクティブ「Computer Room」を共同設立しました。ワークショップ兼オフィスはホクストンに所在します。

Monica Khemsurov(「Sight Unseen」 共同創刊者)

ニューヨークとロサンゼルスを拠点に活動するライター、キュレーター、クリエイティブ・コン サルタントで、デザインとビジュアル・アートの最新情報を扱うオンラインマガジン 「Sight Unseen」 の共同創刊者。『How to Live With Objects』 の共著者であり、インテリアへの新しいアプローチを提唱している。

また、『T Magazine』 のデザイン・エディターや、芸術的なプロダクトの展示を行っている新しいショールーム、Petra の創設者でもある。

Max Fraser(デザインジャーナリスト / 「dezeen」エディトリアルディレクター)

デザインジャーナリスト
デジタルメディア、書籍、雑誌、展覧会、ビデオ、イベントなどでデザインコメンテーターとして幅広く活躍。
ジャーナリストとしてはCNNスタイルのデザイン特派員を務め、『フィナンシャル・タイムズ』、『ウォールペーパー』、『アイコン』、『サーフェス』、『イブニング・スタンダード』、『ニューズウィーク・インターナショナル』などに寄稿。
また、コンテンツ・コンサルタントとして世界中の企業や組織とも協働しており、2012年から2015年までロンドン・デザイン・フェスティバルの副ディレクターを務めた。
2011年にはDezeen Book of Ideasを共同出版し、2016年にはDezeen創設者のマーカス・フェアーズとともにBrexit Design Manifestoを立ち上げた。
『Design UK』や『Designers On Design』(テレンス卿との共著)、『ロンドン・デザイン・ガイド』シリーズなど、複数のデザイン書の著者でもある。

11月28日(木)18:00~

『STATUS AND CULTURE』から読み解くラグジュアリーの生態系

なぜ日本からラグジュアリーブランドが生まれないのか?その原因は、ラグジュアリーの誤解にあったのかもしれない。

ひとくちに「ラグジュアリー」や「富裕層」といってもその存在は多様であり複雑なプロセスを通じて形成されるものでもある。 果たして現代社会においてラグジュアリーとは何を意味しているのか?今春上梓した『STATUS&CULTURE』が話題を呼んだデーヴィッド・マークス氏を招聘し、ラグジュアリーの生態系を解き明かしていく。

David Marx(「STATUS AND CULTURE」著者)
武田 悠太(ログズ株式会社代表取締役)

1984年、老舗衣料品問屋の4代目として東京に生まれる。慶応義塾大学経済学部卒業後、アクセンチュア株式会社戦略コンサルティンググループに入社。 2016年ログズ株式会社を設立。以後、アパレル事業に加え、衣食住学という4分野に事業を拡大し、DDD HOTEL(ビジネスホテル)、PARCEL(アートギャラリー)、nôl(ミシュラン1つ星レストラン)、GAKU(10代向けクリエイティブ教育)、EASTEAST_(アートプラットフォーム)、DESIGNTIDE TOKYO(デザインイベント)等を次々と立ち上げ、大手企業のコンサルティング等も請け負う。

11月29日(金)14:00~

プロンプトエンジニアリング・デザインの現在地

ChatGPTやMidjourneyの活用が一般化したいま、デザイナーにとってもAIは、PhotoshopやIllustratorのようなツールのひとつとなっている。他方で生成AIのクリエイティブへの疑念が高まっていることも事実だ。クリエイターは生成AIをどう活用すべきなのか?プロンプトエンジニアリングはデザインにどのような意味をもたらすのか?

生成AIの専門家であるスパイクスタジオ黒柳茂氏と、Adobe Creative Cloudエバンジェリストの仲尾毅氏、クリエイター集団を率いるKonel 出村光世氏が、リアルなプロンプトエンジニアリングの手法を実践形式で明かす。

仲尾 毅(Adobe Creative Cloud エバンジェリスト)

上智大学理工学部電気電子工学科卒業後、プロビデオシステムエンジニアとしてキャリアスタート。その後Apple Disability Center、UMAX、Visio、Microsoft MacBU と、IT系ハード・ソフトベンダーで一貫してプロダクトマーケティング業務に携わる。2012年6月、Adobe 入社。

Creative Cloud伝道師として、Adobe の最新技術、製品、サービスの訴求と移行促進に従事。

黒柳 茂(株式会社スパイクスタジオ 代表取締役CEO)

早稲田大学理工学部卒業後、日本マイクロソフト株式会社、フェイスブックジャパンを経て、機械学習モデル構築、データプロダクト開発、データサイエンティスト及びデータエンジニアのマネジメントに従事。2023年日本プロンプトエンジニアリング協会を設立、代表理事を務める。2024年株式会社スパイクスタジオを設立しCEOに就任。

出村 光世(Konel・知財図鑑 Creative Director / CEO)

2011年アクセンチュアに所属時にクリエイティブ集団Konelを創業。東京、金沢、京都、ベトナムを拠点とし、30職種を超える異能のクリエイターと、デザイン・研究開発・アートの領域を横断するプロジェクトを推進。2020年、イノベーションメディア「知財図鑑」を立ち上げ、新規事業とテクノロジーのマッチングを開始。クリエイティブディレクター/プロジェクトデザイナー/知財ハンターとして分野を超えた未来実装を続けている。

11月29日(金)18:00~

誤謬なき世界に 「傷」 がもたらす美しさ

テクノロジーの進化によって、私たちの社会はのっぺりとした誤謬なき世界へ近づきつつある。人が傷つきにくくなった分、人が傷つくことを過度に恐れている。

しかし、本来、「傷」は、新しいこと、美しいことを生み出す初期衝動のひとつになり得るものではないだろうか。現代においては、ヴァルネラビリティが可塑性を促し、その中で生まれる手探りの冒険や創造が人の心を動かすこともある。 特殊な環境の中で時に傷つきながらも、それを新しい視点への糧としてきたWOW Inc.代表の高橋裕士氏、起業家の孫泰蔵氏が、自身の経験、最近の取り組み、そして、未来のビジョンとそれを支える原体験について語る。

そして、美しさとは何か、人間的価値とは何かについて紐解いていく。

高橋 裕士(WOW Inc.代表)

1700年代から代々続く刀匠の家庭で伝統工芸や古美術に囲まれて育つ。1997年仙台で会社設立し、2000年に東京、2007年にロンドンへ活動の場を広げる。 2012年でWOW設立15周年を迎え、ビジュアルブック『WOW Visual Design』をリリース。アートブック『WOW10』同様、発行人を務める。現代における日本の伝統と美の普及にも取り組んでいる。

孫 泰藏(Mistletoe ファウンダー)

1972年生まれ。1996年の大学在学中に起業して以来、一貫してインターネット関連のテック・スタートアップの立ち上げに従事。世界を代表する連続起業家であり、IT 関連スタートアップを多く成功させた投資家として知られている。現在はMistletoeのファウンダーとして、社会課題を解決できる可能性を秘めたスタートアップの支援を行う。また複数の支援先で役員も兼務するなど、その活動は多岐にわたり広がりを見せている。

武田 悠太(ログズ株式会社代表取締役)

1984年、老舗衣料品問屋の4代目として東京に生まれる。慶応義塾大学経済学部卒業後、アクセンチュア株式会社戦略コンサルティンググループに入社。 2016年ログズ株式会社を設立。以後、アパレル事業に加え、衣食住学という4分野に事業を拡大し、DDD HOTEL(ビジネスホテル)、PARCEL(アートギャラリー)、nôl(ミシュラン1つ星レストラン)、GAKU(10代向けクリエイティブ教育)、EASTEAST_(アートプラットフォーム)、DESIGNTIDE TOKYO(デザインイベント)等を次々と立ち上げ、大手企業のコンサルティング等も請け負う。

11月30日(土)11:00~

サステナブルの先、リジェネラティブの手前

いまやあらゆる分野のデザインを考えるうえで「サステナブル」を無視することはできない。さらに近年は、自然環境や社会システムを維持・保全するのみならずそれらを再生・回復させる「リジェネラティブ」の概念が注目されてもいる。

次世代を担う若いデザイナーたちは、この新たな潮流(TIDE)とどう向き合っているのか。 ポッドキャスト番組『デザインの手前』のモデレーションのもと、DESIGNTIDE TOKYOに出展する30代以下のデザイナー3組をゲストに招き、 公開収録形式で若きデザイナーたちのリアルな声を届けていく。

原田 優輝(編集者)

1981年生まれ。株式会社カンバセーションズ代表。デザイン関連媒体の編集・執筆、企業のオウンドメディア制作、デザイン組織の発信サポート、トークイベントの企画・司会進行などを手がける。自主プロジェクトに、「問い」をカタチにするインタビューメディア「Qonversations」、地域と地域をつなぐインターローカル・プロジェクト「◯◯と鎌倉」がある。2024年4月より、ポッドキャスト番組「デザインの手前」をスタート。著書に『欲望するインタビュー』(Pヴァイン)、『旅するカンバセーションズ』(カンバセーションズ・ブックス)がある。

デザインの手前:デザインという領域に関わる編集者2人が、さまざまなクリエイターをゲストにお招きし、デザインの本質的な価値やこれからの可能性についてお話しするトークプログラム。さまざまな切り口から、ゲストの方それぞれの「デザインの手前」についてお聞きします。

山田 泰巨(編集者 / ライター)

1980年北海道札幌市生まれ。商店建築社『商店建築』編集部、CCCメディアハウス『Pen』編集部を経て、2017年よりフリーランス。建築、デザイン、アート、工芸、ファッションなどのテーマで、雑誌や書籍、企業広報物の編集執筆を行うほか、展覧会の企画協力などにも参加。2024年より桑沢デザイン研究所 非常勤講師。

主な雑誌に『Casa BRUTUS』『Pen』『GQ』『ELLE DÉCOR JAPON』『MODERN LIVING』『I’m home』『LifeWear magazine』、主な著作に『天童木工とジャパニーズモダン』(青幻舎)。

デザインの手前:デザインという領域に関わる編集者2人が、さまざまなクリエイターをゲストにお招きし、デザインの本質的な価値やこれからの可能性についてお話しするトークプログラム。さまざまな切り口から、ゲストの方それぞれの「デザインの手前」についてお聞きします。

AATISMO(デザインチーム)

AATISMOは海老塚啓太(建築家・デザイナー)、中森大樹(工業デザイナー)、桝永絵理子(建築家)の3人によるデザインチーム。 アートとテクノロジー、原初と未来、そして野生の思考と科学的思考の融合を図り、建築・デザイン・アートなど分野を横断した活動を通じて様々な物事の本質的価値を探求している。 主な作品に「Aether」、「Water」、「OOPARTS-001」、「ハニヤスの家」、「炭酸ハウス」など。

高田 陸央(デザイナー)

1998年三重県生まれ。金沢美術工芸大学デザイン科卒業。東京でデザイナーとして働きながら、大学生時代に半年間住んだ福井県と出身地三重県の3拠点で活動。産地に身を置きながら職人の技術にインスピレーションを得たオブジェクトを制作。歴史や伝統にリスペクトを持ちつつ、それらに捉われない表現に落とし込むことで、新しい解釈を産地の中に生み出すことを目指している。福井県を拠点とするデザインスタジオ「閃」のメンバー。

光井 花(テキスタイルデザイナー)

Royal College of Artを修了後、Alexander McQueenに修了製作が採用され、2015SS パリコレクションにて自身の手掛けたテキスタイルを発表。帰国後は、株式会社イッセイミヤケにてテキスタイルのデザイン、バッグのデザインに携わる。 その後2023年に、日本各地の伝統的なテキスタイルを再解釈しデザインを通し現代のライフスタイルへ再提案する製品や作品のデザインを行うHANA TEXTILE DESIGN STUDIOを設立。現在は多摩美術大学生産デザイン学科テキスタイルデザイン専攻にて講師を務めながら、テキスタイルを軸に幅広く活動を行う。

11月30日(土)14:00~ [SPECIAL TALK]

Teenage Engineering: Unveiled - Demo, Live & Talk -

本イベントでは、PO-133のインタラクティブデモに加え、日本初公開となる新しいOP-XYの展示も行われ、参加者はTeenage Engineeringが描く最新の世界をお見せします。また、Teenage Engineering製品の日本のアンバサダーであるSteeezo、 Lullatoneによるライブパフォーマンスも予定されています。さらに、Teenage EngineeringのCEOであるJesper Kouthoofdとアーティストスズキユウリのインタビュー形式のトークも予定されており、同社のビジョンや革新的な製品の未来についての洞察が語られる貴重な機会となります。

Jesper Kouthoofd (CEO, and Head of Design TEENAGE ENGINEERING)
スズキ ユウリ(エクスペリエンスデザイナー / サウンドデザイナー / アーティスト / ミュージシャン)
Performer: Steeezo, Lullatone
11月30日(土)18:00~

第2回・発注向上委員会

世界に存在する多くの名作はコミッション・ワークにより生み出されたものが少なくない。多くの仕事は「発注」から始まるにも関わらず、そして、特に、空間やプロダクトについては、発注は無視できないはずにも関わらず、その行為が顧みられる機会は非常に少ない。

よりよい仕事やデザイン、社会を考えるうえで、私たちは発注とどう向き合うべきなのか 今年初めに「発注向上委員会」を発足した元『WIRED』日本版編集長の若林恵氏とともに、発注という行為を通じてデザインのメカニズムを解き明かしていく。優れたデザインを考えることは、優れた発注を考えることでもあるのかもしれない。

若林 恵(黒鳥社コンテンツ・ディレクター / 自由研究員)

平凡社『月刊太陽』編集部を経て2000年にフリー編集者として独立。以後、雑誌、書籍、展覧会の図録などの編集を多数手がける。音楽ジャーナリストとしても活動。2012年に『WIRED』日本版編集長就任、2017年退任。2018年、黒鳥社設立。著書『週刊だえん問答 コロナの迷宮』(黒鳥社・2020年12月刊行)、『さよなら未来:エディターズ・クロニクル 2010-2017』(岩波書店・2018年4月刊行)、責任編集『次世代ガバメント:小さくて大きい政府のつくり方』。「こんにちは未来」「働くことの人類学」「blkswn jukebox」「音読ブラックスワン」などのポッドキャストの企画制作でも知られる。

熊井 晃史(GAKU 事務局長)

「GAKU」事務局長、ギャラリー「とをが」主宰など。一貫して、創造性教育の現場に携わりながら、聞き手や編集や執筆も手掛ける。渋谷キャスト七周年祭の記念冊子として「『頼まれなくたってやっちゃうことを祝う』田中元子、若林恵、猪瀬浩平」を製作したことで、若林さんと交流が始まり、「若林恵×tofubeats『発注向上委員会』立ち上げ!?記念トークイベント」の実施も叶う。

武田 悠太(ログズ株式会社代表取締役)

1984年、老舗衣料品問屋の4代目として東京に生まれる。慶応義塾大学経済学部卒業後、アクセンチュア株式会社戦略コンサルティンググループに入社。 2016年ログズ株式会社を設立。以後、アパレル事業に加え、衣食住学という4分野に事業を拡大し、DDD HOTEL(ビジネスホテル)、PARCEL(アートギャラリー)、nôl(ミシュラン1つ星レストラン)、GAKU(10代向けクリエイティブ教育)、EASTEAST_(アートプラットフォーム)、DESIGNTIDE TOKYO(デザインイベント)等を次々と立ち上げ、大手企業のコンサルティング等も請け負う。

12月1日(日)11:00~

エゴの先にある利他、利他の先にあるエゴ

プロダクトデザイナーの鈴木元氏は、デザインの本来の役割を「特別にする」ことではなく、環境や技術、人との「ちょうどいい」関係を発見し、具体化する知恵であり営みであると定義する。一方で、太田琢人氏は、デザイン言語を用いた表現の模索に注力する。個人的な気づきを誰の為でもなく、自分の為に形に残す姿勢はエゴイスティックとも捉えることができる。

デザインにおいて利己・利他的であることが何か、さらには利己的なデザインが他に利をもたらし、人間の関係性自体の再考を促すことはできるのか。

デザインを取り巻く環境が大きく変化する中で、デザインの根底にある利他とエゴについて、考え、質問を投げかけ、語る。デザインにおいて、ユーザーを含めた周囲の人間に寄り添う「利他」的な精神が必要なのは間違いないが、その道筋を探る。

鈴木 元(プロダクトデザイナー)

1975年生まれ。プロダクトデザイナー。金沢美術工芸大学卒業。Royal College of Art, Design Products科修了。パナソニック株式会社、IDEOロンドン、ボストンオフィスを経て2014年にGEN SUZUKI STUDIOを設立。スタジオを自宅に併設し、生活とデザインを隔てないアプローチで、Herman Miller, Casper, 無印良品など国内外の企業と協業している。GERMAN DESIGN AWARD金賞、IDEA賞金賞、クーパーヒューイット国立デザイン美術館永久収蔵など受賞多数。2023年D&AD賞プロダクト部門審査委員長。

太田 琢人(デザイナー/アーティスト)

1993年フランス生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻第9研究室2022年修了。 家具を中心に詩的で未来的なデザインを生み出す。文明の発展と文化の発生の副作用として失った感覚にフォーカスを当て、言葉と形で表現を続けている。

主な展示として〈ミラノサローネ2023 Thinking Piece〉(Dropcity、イタリア)、〈ミラノサローネ2021〉(トルトーナ地区、イタリア)、〈TONGYEONG TRIENNALE 2022〉(韓国)、〈ICFF2016〉(アメリカ)など。

木熊 太郎(Editor in Chief, ELLE DECOR Japan)
12月1日(日)14:00~

デザインとアートの協業から立ち上がるコモンセンス

デザインは往々にして、利便性や経済合理性が強く求められるがゆえにアートとは異なるものとして区別されてきた。しかしアートとデザインは、本来的に、ともに『美』を通じて『人間的意義』を追求する行為である。

デザインを考える上で、アートの「問う力」は、常に大いなるインスピレーションとなってきた。また、アートを社会に実装するためには、キュレーションや展示・空間設計といったデザイン行為が必要だ。

価値観が多様化し、経済的尺度以外の共通感覚が失われつつある現代において、次世代の美的共通感覚を構成するべく、デザインとアートが結託してくことが求められているのではないか。

ARTnews JAPAN編集長の名古摩耶氏によるモデレーションのもと、香港M+のリードキュレーターを務める横山いくこ氏とDESIGN TIDEのディレクターを務めるスズキユウリ氏が、デザインとアートの協業可能性を探っていく。

横山 いくこ (M+リードキュレーター)
名古 摩耶(ARTnews JAPAN 編集長)

1978年生まれ。『Esquire』日本版、『WIRED』日本版などを経て、2018年に『VOGUE JAPAN』エグゼクティブ・デジタル・エディターに就任。20年「VOGUE CHANGE」プロジェクトを立ち上げ、コンテンツ統括。22年10月より『ARTnews JAPAN』編集長に就任。

スズキ ユウリ(エクスペリエンスデザイナー / サウンドデザイナー / アーティスト / ミュージシャン)

1980年東京都生まれ。日本大学藝術学部卒業。ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)ではデザイン・プロダクト学科で修士取得。
音とエクスペリエンスをデザインするアーティストとして、インスタレーションからインタラクション、プロダクトと多彩な活動で知られる。デザインマイアミでは、デザイン・オブ・ザ・フューチャー受賞。MoMA、テートギャラリーなど、世界の名だたるミュージアムやフェスティバルで作品を発表。2018年にはペンタグラムのパートナーに就任。現在ロンドンで活動中。